秋田・山形の旅(その2)

鳥海山へ

 朝、突然の羽音で目が覚める。フロントガラスには大きなカラスがいた。どうやらダッシュボードの上のスナック菓子を

狙って急降下したもののフロントガラスにぶつかってしまったらしい。なかなかあきらめきれないようで、しばらく車のまわりを

うろうろしていた。とりあえず道の駅の中にある温泉に入ることにした。

   

スナック菓子を狙うカラス         しぶとく狙い続けるカラス         道の駅の温泉(露天)塩分が多くしょっぱい

鳥海山へ

 温泉に入り、大広間でくつろいだ後、道の駅の売店で焼きそば、餅、餃子などを買込んで出発する。まだお昼前なのに道の駅は

すごい賑わいだ。温泉に入っている間に雨が降り始め、出発のころには本降りとなっていた。日本海沿いを南下して象潟(きさかた)

に向かう。象潟は松尾芭蕉が訪れた最北の地だそうでここの九十九島が一度見てみたかったのだ。昔、象潟は宮城県の松島のよう

に入り江に数多くの島が浮かぶ地形であったのが、大地震で土地が隆起してしまい現在では田んぼの中に松の生えた島が点在した

地形
になっている。実際行ってみるとそのようないきさつが今ひとつ実感できない。鳥海山を上って行く道の途中から見ると「田

んぼの海
の松島」が実感できるのだが写真に撮るといまいちであった。象潟を後にして鳥海ブルーライン(無料)で鳥海山を目指す

。途中ナビ
の観光案内が「奈曽の白滝が近くにあります」などとしゃべりだした。観光地等が自車の近くにあると音声と映像で案

内するのだが
これまで一度も活用したことがなかったので「良い機会だから」ということで立ち寄ることにする。奈曽の白滝は神

社??の奥に
あった。神社入り口の食堂からラーメンのいいにおいが漂ってきたがかまわず神社の中に入る。神社奥の急な石段を

下ると滝が現れた。
高さ26m。水量はかなり多く、使い古された表現だが非常に男性的な滝であった。

  

 象潟の九十九島                     奈曽の滝入り口の神社

   

 神社奥の石段を下ると          奈曽の白滝が現れる

 

奈曽の白滝を後にしていよいよ鳥海山に登る。麓の天気からして眺望は期待していなかったがなーんにも見えません。途中から

道路脇に雪が見え始め最高所の鳥海山五合目付近(標高1150m)では雪の壁となっていた。五合目にはビジターセンターと駐車場が

あり、ここで昼食をとることにする。外は激しい雨と風。まるで台風だ。昼食をとった後、暴風雨の中をビジターセンターに行く。

ビジターセンターでは鳥海山麓の成立ちや植生、生態系などの展示がされているもだが、この天気のせいもあり入場者は私だけで

あった。暴風雨の中、今度は山形県側に向けて山を降りることにした。

  

鳥海山五合目にて                 雪の壁

 

お宿へ

 鳥海山を降りて、山形県に入り酒田市に向かう。江戸の昔「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」と言われた。

豪商、本間家のお屋敷を見てみたかったのだ。お屋敷の中は残念ながら写真撮影禁止であったが思いのほか質素であった。

特に主人の部屋はまさしく物置といった感じである。係りの人の丁寧な案内でひととおり屋敷を見るともう夕方になっていた。

市内で夕食をとり、本日の宿泊地である道の駅「しゃりん」へと向かう。「しゃりん」は国道7号線にある日本海沿いの道の駅で

幹線国道沿いながら人里はなれたところにあり、温泉こそないが道の駅の隣にお酒を売っているコンビニがある。私のお気に入り

の道の駅の一つである(温泉は車で10分ほど走ったあつみ温泉の公衆浴場が利用できる)6時ごろ道の駅に到着し、夜はお決まりの

宴会となったのである。

本間家                  雨の中国道7号を走る            

銀嶺月山をメインに夜の宴会