みちのく温泉紀行
旅立ち
2002年のゴールデンウイークは悩みに悩んだあげく、東北方面にくりだすことにした。今年のゴールデンウイークは中間に3日
も平日があったため、行ける所も限られていた。最初はまだプレ号の行ったことのない福井方面を考えていたのだが関越道の行き
と帰りの渋滞が怖かったので、渋滞のない東北方面に行こうということになった。5月2日。てきぱきと仕事を終わらせ定時に仕事
を終わらせるはずが1時間も残業をしてしまった。結局家に着いたのは午後8時になってしまった。午後1時ごろには仙台を越えた
あたりで車中泊するつもりだったのだがこの時点で致命的な遅れである。何せ車にはまだ荷物を何も積んでないのだ。30分ほどで
荷物を積み込み出発。近所のファミレスで夕食をとると時刻は9時半を回っていた。目指すは東北道の長者原サービスエリア。ナビ
の残距離は400km。長い旅路の始まりである。
フルフラットにしたシートに195cm×115cmの板を敷いただけのプレ号
山越え
明けて5月3日。東北道の三本木パーキングエリアで朝を迎える。常磐道は順調だったものの、東北道は車が多く、なかなかスピードが上がらなかったのと、途中のサービスエリアの混雑を見て長者原サービスエリアの1つ手前の小さなパーキングエリアに宿泊したのだった。洗面所で顔を洗い早速出発する。目指すは岩手・秋田県境、栗駒山麓にある須川温泉である。本当は最寄の一関インターではなく、一つ手前の若林金成インターで高速を降りて国道4号を走り給油を済ませた後で山道に入りたかったのだが気がつくと一関インターまで来てしまっていた。まあ給油所くらいあるだろう…などと思って栗駒山方面に走りだしたのだが無い… 本当に無い。そうこうしてるうちに国道は完全な山道になってしまった。インターを降りるときには1/4目盛りほど残っていたガソリンも須川温泉まで14kmの標識が出るころには警告灯がつくほど減ってしまっていた。インターから32kmしか走ってないのだが…普段はリッター7キロ。最高でもリッター10キロしか走らない車の燃料タンクが60リッターしかないのだから無理も無い。おそるおそるアクセルを踏みながらようやく須川温泉に到着する。
国道342号を走る 山頂が近づくといたるところに残雪が…
須川温泉
須川温泉はちょうど岩手・秋田県境にまたがっており、今回訪れたのは秋田県側にある栗駒山荘の温泉である。早速入浴する。
白く濁った少し硫黄臭のする温泉で木でできた浴室は清潔で温かみがあって気持ちいい内湯で温まった後、露天風呂に繰り出すこ
とにした。露天風呂も木でできており雪に覆われた山々が遠くまで見渡せた。はるか遠くにたくさんの雪をかぶった鳥海山も見え
る。のんびりと温泉に入っているとようやく連休気分になってきた。
須川温泉(内湯) 須川温泉(露天)
※須川温泉に通じる道はGW直前まで冬季閉鎖になっています。積雪状況によっては通行再開が連休後になることもあります。
峠を越えて秋田県側へと下る
いよいよ秋田県
須川温泉を後にして秋田県側へと下って行く。須川温泉出発時点で燃料系はエンプティを指していたがナビを見る限り
ガソリンスタンドがあるのは30km程先であった。可能な限りアクセルを踏まず、カーブもスピードを殺さないように
まがり、エアコンもOFFにしてひたすら燃費を稼ぐ。須川温泉から30km。ようやくたどり着いたガソリンスタンドは
なんと休みであった。再び走り出すこと3kmばかり…小さなスタンドを発見する。今度は営業中だ。とりあえず30リットル
ほど給油する。辺鄙な山奥なうえに県外ナンバーだったのでガソリン代をぼられるのでは??と不安だったが値段も良心的だった
まずは一安心である。
やっと、給油。燃料系の針はEを振り切っています。
給油を終えたプレ号は一路小安峡(おやすきょう)に向かう。本当は須川温泉からまっすぐ小安峡へと下る道が
あるのだがこの時期はまだ冬季通行止が解除されておらず。一旦山を下りて大きく迂回しなければならないのであった。
小安峡へは国道から深い峡谷へと降りる長い階段を下りなくてはならない。ようやく河原まで降りるとそこは深い淵に
なっている。ゆったり流れる緑色の流れ…しかしその穏やかな流れは実は熱湯なのであった。ためしに足を入れて見ると
強烈な熱さ…だったはずなのだが。初めて訪れてから4年たち、私の記憶違いなのか、それとも地下のマグマが下がって
しまったのか、水は冷たい。気をとり直して遊歩道を歩くとほどなく熱湯ゾーンがある。ここは昔ながら?!の熱気である。
小安峡遊歩道 スチーム地帯
このあたりは熱湯エリア、お湯がグラグラ煮立ってます。
日本海へ向けて
小安峡見物の後、今日の宿泊は日本海の見えるとにしようということになった。その途中で蕎麦屋を発見した。
ちょうどいい時間なので昼食をとることにする。店の裏手からは雪をかぶった鳥海山が見える。蕎麦屋は大変混雑しており、
1時間くらいしてようやく蕎麦にありつくことができた。なんでも歴史のある蕎麦らしい。
雪をかぶった鳥海山(蕎麦屋の裏)
蕎麦 蕎麦の由来
蕎麦を食べ終わり、鳥海山の北東を回りこむようにして秋田県本荘市で遂に日本海に到達した。ここから北へ海沿いを
30kmほど進むと本日の宿泊地である道の駅岩城に到着した。時刻はまだ4時を回ったばかりである。ここの道の駅は
温泉施設や鮮魚センター、いくつかの食事処があり同行者はお刺身とパエリアを買って来たこれが今夜の夕食になるようだ。
道の駅近くのローソンでお酒を買込み夜の宴会に備えることにした。闇鍋ならぬ闇飲み会もホテルプレサージュ?!の売りの
一つなのであった。
日本海沿いを北へ向かう 道の駅岩城にてご宿泊