上杉雪どうろう祭り

いきさつ

1月と2月の連休は雪国へ旅するのが恒例となっていて去年は有給を1日取って4連休としたうえで、横手、銀山温泉、温湯温泉

(宮城)とすべて温泉旅館をとってのんびりと旅行をした。今年も雪と温泉とうまいものを求めて旅をしようと思い12月の上旬に

旅行会社に行った。目指すは秋田県乳頭温泉、鶴の湯である。しかし、1月、2月の連休ともこの時点で満室。かろうじて

同じ乳頭温泉郷にある蟹場温泉(がにばおんせん)をとることができたのであった。蟹場温泉もなかなか風情のある温泉なので、

とりあえず同行者に報告すると、強硬な反対にあってしまった。どうせ泊まるなら部屋食の宿でないとダメとのことである。

(鶴の湯は部屋食だった)しかたなく、鶴の湯のキャンセル待ちにかけることとなったのであるが・・・

とうとう2月の連休を迎えることになってしまったのであった。

 

出発

 結局、保険として抑えてあった山形県高畠町のフォルクローロ高畠に宿泊することにして、すぐ近くの米沢市で開催される

上杉雪灯篭まつりを見にいくことにした。とはいえ、宿を取ったのは連休2日目の2月10日だけなので初日は車中泊という

ことになる。初日の宿泊先としては雪深いことで有名な福島のチベット?!桧枝岐村(ひのえまたむら)にいくことにした。

実は連休の2週間くらい前に桧枝岐村の民宿もあったたのだが、満室で断られてしまったのだった。ちなみに出発の日は

冬型の気圧配置が強まりつつあり、檜枝岐村の夕方6時の気温は−8度の予報であった。装備を万全にして同行者を迎えにいき、

同行者を乗せていよいよ出発である。まずは国道6号で利根川を渡り国道294号線で北を目指すことにした。この日は天気が

良く、利根川の橋の上からも遠く雪をかぶった山々を見ることができた。宇都宮市内を過ぎるころから、それまで13度だった

外気温が徐々に下がりだした。塩原温泉手前で4度ほどになり、温泉街を抜けたところから本格的な雪となった。檜枝岐村の

隣の伊南村(いなむら)にある小豆温泉に着くころにはあたり一面銀世界になっていた。

  

(利根川を渡る)                     (鬼怒川上より雪山を見る)

 

小豆温泉

檜枝岐村にも温泉はたくさんあるのだが、私は小豆温泉がお気に入りである。日替わりで男湯と女湯の入れ替る湯船は

ほの暗い石造りの「月明の湯」と明るいタイル張りの「陽明の湯」の二つがある。私はほの暗い「月明の湯」が好きなのだが

今回は「陽明の湯」が男湯となっていた。ちなみに露天風呂もあるのだが酷寒地であるためか湯船が小さく、浅めである。

しかも、屋根がないので降りしきる雪の中での長湯はつらいかもしれない。しかし、ここの温泉は休憩室がそれほど

込み合っておらず。のんびりと過ごすことができる。私の大好きなアサヒビールの黒生の500mlが置いてあるのも

ポイントが高い、食事はそばの産地なのにうどん類がメインなのだがお勧めは天ぷらうどん(冷)である。天ぷらが別の皿に

のっていてなかなか高級感がある。ちなみに天ぷらうどん(温)は普通の天ぷらうどんなので注意が必要?!である。

またここの温泉は山奥にあるためか、女の子があまりいない。同行者いわく女湯はガラガラだそうである。

この温泉は入浴料850円と少し高く、食事も15時を過ぎると軽食のみになってしまうのが残念なところである。

大広間で3時間ほどごろごろと休憩した後、宿泊地を求めて檜枝岐村に向けて出発した。

  

小豆温泉                          (小豆温泉広間)

()のついた写真は小豆温泉パンフレットより転載

 

(陽明の湯)                        (月明の湯)               

 

宿泊場所を探して

 小豆温泉を出た後、本日の宿泊場所をさがして桧枝岐村方面に向かう、たしか夏にきた時はトイレのある広い駐車場が

あった記憶がある。時刻は7時をまわり外気温は氷点下5度と冷え込みが厳しい。すっぽりと雪におおわれた村を通りすぎ

るとすぐに冬季通行止めの看板が現れてしまった。宿泊に適した場所は結構あるのだが、いかんせんトイレがなくては

どうにもならないのですごすごと引き返すことにする。相談の結果、本日の宿泊場所は福島−栃木県境に近い「道の駅田島」

に決定した。福島−新潟県境に近い桧枝岐村からは途中、中山峠をはさんで50キロほどの距離になる。

       

標高1000m、人口600人、檜枝岐村の中心部   国道352号線は村のはずれで通行止

 

同行者の陰謀

実は、今回の旅の前に同行者の友達とその彼と4人でスキーに行く話があったのだが、返事をしないうちに何となく

うやむやになってしまい中止となったいきさつがあったのだ。その後、今回の旅行が決まったのだが、旅行が決まって

しばらくたったある日、「友達と彼のカップルも米沢に行くんだって、すごい偶然だね、もしかして米沢で会っちゃうかもね」

などと同行者が言うではないか、普通の人がこんな寒い時期に米沢なんか行くか〜?!などと思ったが、偶然旅行先が

一緒だっただけだという。明日の夜はいったいどうなるんだろうか??いろいろなことに思いをめぐらせつつ、雪の

中山峠を越えていくのであった。

  

中山峠を越えて・・・                道の駅田島に到着(おやすみなさい)

 

米沢に向かって

 翌朝、8時ごろ目がさめた外の気温は氷点下5度、車内は0度くらいであった。外はスキー場に向かう車で混雑し始めている。

洗面所で顔を洗いさっそく出発する。雪はほぼ止んでおり、さわやかな朝である。途中のセブンイレブンで同行者がおにぎり

「会津みそ」を発見(限定もの?!)レンジであたためてもらって食べるとなかなかの一品である。おにぎりを食べていると

同行者の携帯にメールが入ってきた。お友達が早くも米沢に到着されたそうである。夜に向けてちょっと緊張する私であった。

  

道の駅 田島にて                    白一色のさわやかな朝(田島町郊外)

 

このまま、まっすぐ米沢に向かってしまっても早く着きすぎてしまうので喜多方市郊外にある「道の駅ふれあいパーク喜多の郷」

の温泉「蔵の湯」に入っていくことにした。温泉でのんびりしたあと、広間でさっそくビールを飲む、昨日の晩に車の外に出して

冷やしておいたのをタオルにくるんで持ってきたのだ。キンキンに冷えたビールがすごくおいしい。昼食はここの名物

ラーメン丼(ラーメンスープで炊き上げたお弁当)と「たこのから揚げ」で済ますことにする。ラーメン丼は見た目以上に

ボリュームがありお勧めである。温泉内と道の駅のレストランで販売しており、私はここを通りかかるたびに購入している。

しばらく温泉でくつろいだあと米沢に向けて出発する。ここから県境の大峠を越えるともうそこは米沢なのだ。

普段は雪深い大峠も今日は快晴だった。全長約4kmの大峠トンネルを抜けたあたりで眠くなってきたので一時間ほど

お昼寝することにした。いったん米沢の街を通り過ぎ米沢の北隣の町高畠についたのは3時半くらいであった。

  

蔵の湯                    福島‐山形県境の大峠トンネル(全長約4km)

高畠付近の山並み

上杉雪灯篭まつり

 宿に着くとまずは温泉に向かった。ここの宿は駅の建物の中にあるのだが、同じ駅内に温泉施設があるのだ。

しかも、宿泊者は無料である。宿泊者でなくとも値段が200円と安いこと、営業時間が7時から(ホームページ上は10時と

なっているが)ということでお勧めの温泉である。ただし駅の改札の脇が入口なのであまりだらしない格好では行くことが

できないのが欠点である。そしていよいよ雪灯篭祭りに出発である。上杉神社のあたりの駐車場は既に満車だったため少し離れた

ところにある駐車場に車を止めて歩くことにした。気温は-3度。冷込みが厳しい。歩道上には小さい雪のかまくらが

作られており、火がともってとてもきれいである。会場の上杉神社は上杉謙信と米沢藩の財政を立て直した上杉鷹山

(うえすぎ ようざん)を祭った神社である。上杉家は秀吉の時代に会津へ、関ヶ原合戦で西軍についたため領地を削られここ

米沢へと転封されてきたのだ。ちなみに有名なカブキ者の前田慶次の墓もここ米沢にあったりする。(明治以降所在不明)

そんなわけで上杉神社が米沢にあるのだが、その上杉神社を舞台にして雪灯篭まつりは開催されているのであった。

  

歩道上のミニかまくら             上杉神社前の広場にて

 

 上杉神社の前の広場には雪山があってところどころに穴が開いていてその中に火が灯してある。そして上杉神社へ向かう

道には両側にずらーっと雪灯篭が・・・その中をしずしずと上杉神社に向かって歩いた。上杉神社の中に入り石段を登ると

雪でできた慰霊碑がある。この上杉神社は米沢城跡にあるので廻りはお掘に囲まれ所々丘のように高い所があり見晴らしが良い。

堀の向こうには夜店がびっしりと並んでいて、夜店の明かりがお堀に映ってすごくきれいだった。

 

太平洋戦争の戦没者慰霊碑           雪灯篭

 

同行者のお友達とご対面

 神社の境内を一周して神社脇にある「伝国の杜」という文化施設?!で一休みする。中にはパソコンがあり米沢城の歴史

などを見れるようになっている。ほっと一息ついていると、同行者の携帯にメールが入る。同行者の友達も近くにいるらしい。

待つことしばし・・・ご対面である。子供のようにはしゃぐ二人、そしてお友達の彼とご挨拶して再び雪灯篭まつりへ出発する。

外に出ると、再び−3度の風が・・・雪灯篭まつり2周目に撮った写真が下の写真である。途中で牛串を買って食べる・・・

冷えるまえに急いで食べる。やわらかくておいしいお肉である。いっしょに写真を撮ったりしながら神社の中を散策したあと。

お別れする。楽しかった雪灯篭まつりも終わりである。お宿に帰り温泉で温まってほっと一息つく。夜はお部屋で

飲み会である。途中買ってきたフルーツをつまみに、スパークリングワインを飲む。いよいよ明日は帰宅である。

  

堀の向こうに「雪灯ろう」の文字が                      きれいな雪灯篭

 

ワインとフルーツで乾杯!!          お部屋の中から見た山形新幹線

 

帰り道

 翌日、朝から雪が降っている。朝食をとり、温泉に入り11時まで宿でのんびりした後、出発する。とりあえず

昨日の夜見かけたワイングラスを買って帰ることにした。米沢市に向かって車を走らせると雪が激しくなってきた。

今年の冬の旅はおそらくこれが最後であり、そして3年にわたり冬の足として活躍してきたセフィーロも来年からは

その役割をプレサージュに譲ることになる。セフィーロが雪の中を走るのはこれが最後なのだ。


 

一夜明けた高畠駅前                  朝の上杉神社前

 

 米沢で買物を済ませ、会津を目指して大峠を目指す。米沢ではかなりの雪だったのが、だんだんと小ぶりになってきて

県境を越えて福島県に入ると雪がやんで青空が広がってきた。会津若松から猪苗代方面に向かい猪苗代から高速に乗る。

バックミラーの中でどんどん小さくなっていく雪山・・・思わずしんみりとしてしまう。トンネルを抜けて太平洋側に抜けると

みるみる雪が少なくなり磐梯熱海を過ぎるころには日影にも雪は見られなくなってしまった。

 

雪の中を大峠に向かう                磐越道を走る

 

トンネルを抜けると太平洋側                  常磐道のパーキング猫

 

磐越道を走り抜けて常磐道を東京方面に入るとすぐに湯の岳(ゆのたけ)パーキングエリアがある。ここにはいつも

立ち寄ることにしている。ここには野良猫がたくさん(5〜6匹)いるのだ。野良猫だけなら珍しくないかもしれないが、

ここの猫は人なつこいのだ。写真を撮ってるとすぐに擦り寄ってくる。以前は下り線のパーキングエリアにいたのがさっぱり

見られなくなってしまった。どうやら上り線に移動?!したらしい。いつまでも長生きしてほしいものである。

再びこの猫に会える日を楽しみに常磐道を東京に向けて走っていくのだった。(終わり)

 

助手席のドアにいるピングーのオットセイ      ワイングラス
(常磐道にて同行者撮影)

 

2003年冬、早くも参戦決定!!(次回予告)(秋田県 湯沢市)